【専門家が徹底解説】姿勢は意識では直らない【反り腰・猫背】

姿勢が悪いと自覚している人は「意識」で姿勢を整えようとします。

しかし「いい姿勢」を意識していると姿勢は逆に崩れていく可能性があります。

takumi

姿勢はホントは自然と「いい状態」に保たれいるんだよね。

決して「意識」で保たれているわけではない…

これを無視して

  1. 胸を張る
  2. 背筋を伸ばす

こんなことをしていると姿勢にとっては逆効果に働くことも…

意識一つで姿勢は崩れる

これは姿勢が崩れている人ほど知っておいてほしい内容…

この記事ではなぜ姿勢は意識では直らないのかを専門家が解説します。

胸を張っていては姿勢は良くならない

takumi
昔の僕もそうでしたが、胸を張っている姿勢が「良い姿勢」だと思ってた…

ですが、トレーナーとして活動していく中で自分の考えが間違っていることに気が付きました。

胸を張った姿勢を日常的に意識していると体は反る方向に入っていきます。

この姿勢が過剰になっていくと肋骨は前に飛び出すようになり、呼吸が浅くなってしまう…

このように仰向けになっても肋骨が開いている状態をリブフレア…と専門用語で言います。

リブフレアとは

肋骨が過剰に開いてしまっている状態。

肋骨角が90度以上開いてしまっている状態を指す。

呼吸にエラーが生じている状態で、不定愁訴や慢性疲労の原因にもなると言われている。

リブフレアについては別記事にて詳しく解説しています。【動画付き】
【姿勢改善】呼吸が乱れるといつまでたっても姿勢は改善しない

takumi
姿勢への意識が余計に姿勢を崩す原因になるかもよ?といったお話です

背骨をまっすぐにすると脚への負担が大きくなる

さらに背筋をピンと張っていると、背骨のカーブは減少します。

姿勢への意識はこの「S」の形を崩してしまう…

背骨がS字カーブを描いているのは「地面からの衝撃」を吸収するためです。

背骨の柔軟性があると「衝撃吸収・分散」できるってことです。

逆に背骨がしっかり動かないと、脚へのダメージ増…

脚やふくらはぎは太くなります。

良かれと思って「いい姿勢」を意識することで、別の部位に負担をかけてしまう…

もったいない話だと思います…

胸を張ることで体を丸める能力が低下する

takumi

前述した通り、胸を張ることも僕は良いと考えていたので意識していました。

しかし、胸を張り続けていると反対の「体を丸める能力」が低下してしまう

体を丸める?

なんじゃそりゃ?

と言われそうですが、

きれいな姿勢を自然とつくるには
  • 体を適切に丸められる(屈曲能力)
  • 体を適切に反らせることができる(伸展能力)
  • 体を適切に回すことができる(回旋能力)
  • 体を適切に横に倒すことができる(側屈能力)

この4つの機能が揃ってはじめてキレイな姿勢が作られます。

肩こりや腰痛などから解放されます。

こちらの動画でも簡単に解説していますが、胸椎を含めた背骨をいろいろな方向に動かすことが背骨の健康にはとても大切なんですよね!

何事もバランスが重要です。

しかし胸を張ることで、一方向だけに過剰な動きが加わりますよね?

この姿勢を繰り返しているとどんどん体を丸める能力が低下…

姿勢の悪化につながるというわけです。

24時間姿勢は意識できない

胸を張ったり、背筋を伸ばすことを日常的に行うことの弊害をお伝えしました。

そして、もう一つ知ってもらいたいこと。

それは「姿勢は24時間意識できない」ということ。

当たり前の話ですが、24時間姿勢に意識を向けることは不可能…

30分後、1時間後にはどうでしょう?

ほとんど姿勢のことは忘れてしまっていると思います。

つまり「意識」には限界があります。

そして本質的なお話で言えば「姿勢」は脳がコントロールしています。

意識でどうにかしようとするのではなく、脳がしっかり働く環境を作っていく…

takumi

僕はこの考え方を大切にして運動指導をしています

脳にアプローチすることで姿勢は意識せずとも「自然」と良くなります。

「自然」と良くなるようにもっていく…

これが重要です。

意識せずに姿勢を変えるには…

意識しないでも姿勢が変わるように脳にアプローチするには…

  1. 筋肉(体性感覚)
  2. 耳(前庭覚)
  3. 目(視覚)

にそれぞれアプローチしていきます。

これら3つはすべて脳への刺激となり、姿勢を自然と整えてくれます。

少し専門用語が出てきていますが

姿勢は筋肉や目・耳を同時に鍛えていくことでスムーズに改善されるよ!という内容です。

姿勢(関節のポジション)は筋肉の引っ張り合いで決まる

姿勢を決定する一つの要因はやはり「筋肉」。

前後の筋肉の引っ張り合いによって関節の位置が決まります。

  • 硬くなっている筋肉
  • 弱くなっている筋肉

この2つが顕著にあると姿勢は崩れてしまう…

筋バランスを整えるには…

  1. 硬くなった筋肉👉ほぐす
  2. 弱くなった筋肉👉鍛える

このように考えて運動をするとよいですね。

筋バランスを整えることができれば関節の位置は安定するので結果、姿勢も良くなります。

硬い部位・弱い部位への対処法はこちらの記事にまとめています。【動画付き】

姿勢は前庭系(バランス機能)が大きく関わる

筋肉へのアプローチは確かに重要!

しかし、筋肉の強弱だけで姿勢が決まるわけではありません

実は姿勢の20%程度をコントロールしているのは「前庭系」と呼ばれる機能。

この前庭系には三半規管が含まれます。

耳の中にあるぐるぐる…カタツムリみたいなあれです!

三半規管を含めた前庭系システムが弱ることでも姿勢は悪くなります。

takumi
こんなことをドヤ顔で書いている僕も弱ってました…

美容院とか行くといつも美容師さんから

「首が傾いているのでまっすぐしてください」

と注意を受けていたんです…

でも自分としてはまっすぐしているつもりで…

気付いたらまた首が横に倒れる

それを繰り返していました。

でも今考えると三半規管が弱っていたんだぁ。。。と。

三半規管への刺激を考えたトレーニングをやり出してからは首が倒れることがなくなり、そういうことだったんだ…と納得せざる終えません。

そして、僕と同じように三半規管・耳石が弱っている人はたくさんいらっしゃいます。

ネット社会ということもあり、大人になるとデスクワークなどで座る時間が増え、頭部を動かすことが減ってしまうんですよね…

これを読んでる人でアニメ好きな人いません?

長時間、Amazonプライムビデオ・Netflix…

僕も好きなのでたまにやってしまいます(笑)

そうすると頭部や目線はずっと固定されていますよね?

結果、「三半規管」の機能は低下を招きやすい…そんな環境が現代にはゴロゴロ転がっているのです。

takumi
このような社会的背景からも筋肉だけでなく「耳」に刺激を入れていくトレーニングが必要な人が多いんです。

ではどうやって刺激を入れるのか?

首や頭を振るような動きで鍛えることができます。

  • 前転
  • 後転
  • 横に転がる

こういう動きもいいトレーニングになりますよ!

刺激の入れ方は別記事で記事で詳しく紹介しています。僕が首の傾きを改善する時にしていた運動も紹介しているので是非読んでみてください。

【超重要】良くならない姿勢の崩れは「耳」から攻めるべき理由

視覚(目の機能)も姿勢に影響を与える

耳の次は目。

姿勢を自然と整えていくには「目」への介入が必要なケースがあります。

実は視機能も姿勢に影響を与えている

目は脳に強い刺激を送ります。

脳は姿勢に関与している…とお伝えしましたよね。

つまり目が機能低下を起こすと脳へ正しい情報が送られません。

目の機能が低下すると…
  • 姿勢の悪化
  • 体が硬くなる
  • 体が思うように動かせない
  • 動作が鈍くなる
  • 階段が怖くてゆっくり歩かないと降りれない(お年寄り)

などなど。

年齢と進行具合によって症状も様々ですが、いろいろな問題を引き起こします。

パソコンやスマホ時間が長い人はずっと目線を固定しているため機能が低下しがちですよね…

目が機能しないってけっこうまずい状態なんですよ…

見えるとか見えないとか…

それだけの問題じゃありません。

「耳」と同様「鍛える」というイメージが少ない部位ではありますが、実は姿勢改善の大きな鍵になってる場所なのです。

姿勢が崩れている状態が目からきているとすると…

体が硬いからストレッチ…などしてもなかなか思うようには改善しません。

自分の目がちゃんと機能しているのか

知っておくことはとても大事なことだと個人的には思います。

視覚機能の重要性と簡単な整え方は別記事にて解説していますので確認してみてください。
目のトレーニングで姿勢が劇的に変わる!【専門家しかしらない姿勢改善の方法】

姿勢は「意識」では直らない

いかがだったでしょうか?姿勢は常に意識できるものでもなく、聞き慣れない「耳」や「目」の機能も影響して成り立っています。

姿勢改善を根本的にしたいなら「運動」は必須

運動は「目」や「耳」そして「筋肉」に刺激を入れることができる最強の方法だからです。

takumi
姿勢が悪いからまずは骨盤を整えて…と整骨院に通う方もいらっしゃいますが、自分で目や耳に刺激を入れる方法を覚えたほうが改善が圧倒的に早いです

人からマッサージをしてもらったりすることで「骨盤が調整される」こともあるかもしれませんが、「耳」や「目」も姿勢に関わっている以上、「自分で動きて鍛える」ことが重要です。

このことを理解できると姿勢改善はどんどん進んでいきます。

【反り腰】直したい人が読むべき姿勢改善の5つの手順【保存版】

2022年9月17日

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